2011/05/04

Style of Thom Browne



以前の話になりますが、雑誌BRUTUS(STYLE BOOK2009-10 A/W)に
トム・ブラウン監修の「ブルータス ジェントルマンブック」という付録がついていました。

彼の価値観には共感できるところがあって、発売以来手元に置いております。
付録は、トムブラウンの"Gentleman" 観と、彼の主義(モットー)が掲載されています。
彼の価値観が興味深かったので、一部をご紹介したいと思います。




シンプル グルーミング

グルーミングに凝るのはどこか女性的なことだと思うので、シンプルなグルーミングが好き。
男性が美容に時間をかけたりすることは、魅力的ではないと思う。
グルーミング商品が豊富でなかった時代でもみんな格好良く見えていたのに、
今は商品がありすぎる。

僕が使うのは、今日持ってきたこのありきたりのカミソリとIVORYの石鹸くらいだね。
もちろん、僕より多く使ってもいいと思うけど、一線を超えると無駄だと思う。
それより、自然にまかせることに魅力を感じる。優雅に年を重ねることはとても魅力的なことだ。「自信がある」ということにつながるのだと思うけれど、年を取ることに対して自信を持っていたり、
年相応に見えることは素敵だと思う。
(以下、略)




ラフ スタイル

基本、洗いざらしのオックスフォードシャツしか着ない。色は白のみ。
シャツで全体のスタイルにラフさを加えてバランスをとっている。


オックスフォードの白
自分の作るカッチリとしたスーツのスタイルに、オックスフォードの少しラフな感じのミックスが
好きなんだと思う。このシャツ(ブルックスブラザーズのボタンダウン)は古き良きケンブリッジ風の
オックスフォードシャツで、クオリティが素晴らしい。そして白以外は着ない。


ボタンダウンは外す
多くの人がボタンを留めて着ているから、外すのを自分のスタイルとしている。
ボタンダウンは、ボタンを留めて着るために作られているけれど、ルールに反することをするの
は、とても素敵なことだ。


ジャストフィット
サイズは必ずジャストフィット。首回りと袖丈ばかり気にしていてはダメで、体型やシルエットなども
考えなくてはいけない。間違ったサイズを着ている男性は意外と多いので、サイジングを熟知した
人に選んでもらった方が良い。


マシンウォッシュ
特別な手入れは何もしない。洗濯機で洗って乾燥機にかけ、それをアイロンをかけずそのまま
着る。これもスーツとのバランスを考えてしていること。完璧すぎると退屈な印象になってしまう。




タイでスタイルを"締める"

僕にとってタイは装飾ではなくて、全体のスタイルの締めにあたるもの。タイの幅はラペルとの
バランスを考え、ラペルが細ければタイの幅も細めにする。僕が作るタイが細いのも、
スーツとのバランスを考えてのこと。結び方も同じこと。ラペルが大きければ大きく、小さければ、
小さく。どちらかというと、小さめが好みだね。幅は2.25インチ(約5.7センチ)で統一している。

ボウタイは、自分の普段のスタイルには入っていないけど、好きだね。ショーやフォーマルな
イベントのときには締めるし、コレクションにも入れている。ボウタイの結び方は、大人の男なら
知っておくべき。最近、ボウタイの結び方を知らない男性が多いのは、驚くべきことだ。




ファッションでなく"ユニフォーム"

デザイナーとして活動する前から、'50~'60年代が好きでね。ヴィンテージのスーツを切ったり
して、今作っている服に近いスタイルにしていた。ただ、そのまま似せていたのではなく、
インスピレーションを受けた、というのが正しい。当時のスーツと僕のスーツを比べてみると、
実はかなり違う。僕が'50~'60年代のスタイルに惹かれ、自分の服で再現したかったのは、
当時の"センシビリティ"。もっと具体的に言うと、男性の衣類の"ユニフォーム性"だ。当時、
衣類はファッションではなくて、毎日着るユニフォームのようなものだったんだ。だから、僕は
毎日着られるユニフォームのようなものを作りたかった。当時の男性たちのスーツの着方には、
まったく気を張ったところがなく、時代に流されない感じがあった。ファッションではなかったんだ。

袖丈や裾丈の短いスーツスタイルは、このバランスがとても好きだったので、デザイナーとして
スタートするとしたらこのスタイルを提案しよう、という気持ちが以前からあった。(中略)
コレクションでは、プロポーションで遊ぶ人が多いけれど、僕はクラシックなスタイル、つまり
"衣服の哲学"を若い人たちに見せたかったんだ。若い人というのは、年齢が若いということでは
なく、スーツにあまり馴染みがない人、という意味でね。




ウイングチップ

どっしりとしていて、男っぽいフォルムのウイングチップ。これが僕の考える典型的なアメリカン
スタイル。あまりぴったりとした靴を履くのが好きではないので、ハーフサイズ上を履いている。
でも、基本的には、靴は自分の足にあったサイズを履くべきだと思うね。靴は3~4足しか
持っていなくて、全て同じウイングチップだ。

ウイングチップにショートソックスを履いて、2.5インチのダブル幅のトラウザースを穿き、
足首を見せる。この5年で足首を見せるスタイルがこれほど注目されるとは思わなかった。
もちろん自分はこのスタイルを気に入っていたし、人に関心を持たれるように、クラシックなものに
ひねりを加える、というつもりでやったのだけれど、ここまでのことになるとはね。きっと自分が
死んだ後は、足首を見せた人として知られることになるんじゃないかな。男性の足首は、
女性にとっての胸の谷間のようなものだと思う。自分自身のスタイル感覚を持つことが紳士的で
ある※、というのがこのスタイルの答えさ。

※自分自身のスタイル感覚をもつことが紳士的である・・・これの前の質問で、"Gentleman"の条件を聞かれた際に、「自分自身のスタイル感覚がある」ことを挙げていた。









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